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サプリメントは健康食品の一種!薬ではない

サプリメントとは、ビタミンやミネラル、アミノ酸、ハーブなど健康の維持や増進のために摂る健康食品のひとつです。日本ではその形状について細かい定義づけがなく、錠剤やカプセル、ドリンクなど様々です。

このように、健康食品は薬と異なり、病気や不調を治すものではありません。人それぞれの体質や薬との相互作用、過剰に飲んだりすると思わぬ健康被害が出ることもあり注意が必要です。初めて飲むものは、定期購入やセット購入するまえに、1ヵ月間を目途にお試し期間を設けることも検討しましょう。

基本は3種!飲む目的によって栄養素を選ぶ

世の中には多種多様なサプリメントが販売されていますが、生活リズムや年齢、性別、仕事や家庭環境などによっても選ぶ種類は変わります。

たとえば、1日2回以上の外食をしているひとは、野菜など新鮮な食材の摂取量が少なく、ビタミンやミネラルが不足しがちです。一方、食事のバランスが良く、さらに健康増進を目指すひとであれば、「抗酸化」や「美容」など、的をしぼった栄養素を選ぶことが基本です。

次の3種類で、体の基本となる①から順にステップアップしていくのがおすすめです。

【サプリメントは3種類】

  • ① ふだんの食事で不足しがちなもの(ビタミン、ミネラルなど)
  • ② 免疫力や抗酸化など健康増進を期待するもの(青汁、黒酢など)
  • ③ 特定の部位や症状に的をあてたもの(ハーブや薬草、ダイエット系など)

サプリは栄養バランスの偏ったひとにおすすめ

サプリメントは、すでに栄養バランスのとれた食生活を送るひとが摂取しても、大きな健康増進は望めません。たとえば、偏った食生活をしている、妊娠中である、一日の活動量が多い、減量のため食事量を減らしているといった、バランスのとれた栄養補給が難しいひとにおすすめです。

また、ある調査によるとサプリを買うときにもっとも重視するポイントとして、過半数のひとが「効き目・有効性」と答えています。しかし、その効き目が分かる期間というのは個人差があるだけでなく、サプリの種類や目的によってもまったく異なります。

例えば、肥満などの生活習慣病やアレルギー体質のあるひとの場合、サプリと処方薬を併用するひとが4割をこえるそうです。前述のように、サプリは治療が目的ではなく、あくまで栄養を補うための食品であると理解すること。サプリを過信し、薬や治療を中断すると病状が悪化する可能性もあるため注意しましょう。

サプリの安全性

サプリメントで起こる健康被害のほとんどは軽症で、そのときの体調や個々の体質によるものが多いのです。しかし、なかには素材の安全性が問題とされるものや、一部のサプリでは薬の成分を含むものもあり、そういった場合は注意が必要です。

こういった危険に対し、2020年6月1日、食品衛生法の一部が改正されて健康食品に関する新しい制度ができました。

【新しくなった食品衛生法】※健康食品に関する部分を抜粋

  • ① 摂取量や製造・品質管理について特に注意すべきものを「指定成分等」として管理する
  • ② 指定成分等を含む食品には「指定成分等含有食品」などの表示を義務づける
  • ③ 指定成分等を含む食品による健康被害の情報を届け出る

レビューや体験談に流されない!サプリ選び5つのポイント

サプリメントを正しく選ぶために、次のポイントを押さえておきましょう。

【正しく選ぶ5つのポイント】

  • 病気を治すものではなく、足りない成分を補うもの
  • キャッチコピーは一例。自分にもあてはまるかどうかは別
  • サプリのレビューや体験談はあくまでも参考程度にする
  • 有効成分「●●成分配合!」は効き目の証明ではない
  • 「価格=品質」と思わずに成分や内容で選ぶ

また、サプリメントはその見た目では、薬との違いが分かりにくいこともあります。次の表を参考に、ふさわしい形状であるか確認しましょう。

健康食品と薬との形状の見分け方
アンプル(薄いガラス製の密封容器)、舌下錠(ぜっかじょう)、スプレー管に充填した液体を口の中の粘膜から吸収させるものなど
健康食品 ソフトカプセル、ハードカプセル、錠剤、丸剤、粉末、顆粒、液状など
※すべてに「食品」と記載

 

必要以上にとるのはNG!サプリの正しい飲みかた

サプリメントは基本的には食事と一緒に吸収されるため、時間指定がないときは、基本的に食後30分以内に飲みます。鉄分などは、空腹時にとると吐き気を起こすこともあるので、心配なひとは薬剤師に相談しましょう。

また、飲む時間帯は、サプリメントの種類によってより効果が期待できる時間帯に変更することもできます。例えば、体の機能を維持するためのビタミンやミネラルなどは、活動し始める前の朝に。美肌をめざすものは、肌の新陳代謝が高まる夜に、といった工夫もおすすめです。

ただし、体に必要な栄養素だとしても、必要な基準をこえると体内から排出できずに体へ負担となってしまう過剰症をおこすことがあります。飲みすぎず、箱やラベルに書かれた用量を超えないことが大切です。逆に、量を減らすぶんには問題ありません。

購入時に注意したい5つのポイント

店頭やインターネット上で買うときには次のポイントに注意します。これらの表示がないときは、問い合わせなどをおこない、確認できた上で購入することが大切です。

【5つのポイント】

  • 製造業者や販売者などの名前と、原材料の表示
  • お客様相談窓口の連絡先
  • 栄養成分やその他の含有成分の量(※1)
  • 1日に飲む量や利用時の注意点など必要な情報(※2)
  • 安全性や品質について紛らわしい表現(※3)
  • ※1 体調を崩したときや、薬との相互作用を薬剤師などに見てもらうときに必要です。
  • ※2 必要な情報とは、用法用量のほか、「妊娠中」や「持病のある人は医師や薬剤師に確認してから」といった注意事項です。ほとんどのサプリにはその記載があります。
  • ※3 たとえば、「天然成分で体に優しい」「販売数No.1だから安心」といった表現には注意しましょう。

また、病気やアレルギー体質のひとは、サプリメントを買う前に医師や薬剤師などへ相談しましょう。自分で調べるときは、国立健康栄養研究所ホームページ「健康食品の安全性・有効性情報」から成分名などで調べることもできます。

サプリの正しい保管方法と健康被害

開封後は早めに飲みきる

サプリメントは薬とちがい、長期保管による品質の安定性や劣化のしかたなど詳細なデータがありません。そのため、開封したら賞味期限内でも早めに飲みきりましょう。

持ち運びに便利なサプリメントケースに入れる場合には、子どもが誤って開けないよう中身が見えない工夫をした方が安全です。また、個装でないカプセルや錠剤は湿気を帯びやすいため、数日で飲める分だけを持ち運ぶようにしましょう。

サプリで起こる健康被害!症状が続くなら病院受診を

「サプリは食品だから沢山飲んでも大丈夫」「副作用はない」という誤った認識を持たれる方もいらっしゃいます。しかし、実際には健康被害が生じたり体調不良を起こす方もいます。

もしも具合が悪くなったら、まずは飲むのをやめて症状が改善するか様子を見ます。軽い症状なら、販売メーカーの「お客様相談窓口」で相談できますが、症状が続くようであれば病院へ受診し次のポイントを医師に伝えましょう。

【医師や薬剤師に伝えるべきこと】

  • ① 製品名やメーカー名を、箱や説明書で持参。
  • ② 飲んだ期間と症状が出た時期
  • ③ 中止後の症状の変化
  • ④併用した健康食品や薬
  • ⑤アレルギーや持病
  • ⑥過去にその症状で医療機関を受診したことがあるか?
  • ⑦再度その健康食品をとって、同じ症状が出たか?

上記の⑤~⑦は、受診先の病院から保健所にも報告します。もしものときのために、いつ、何を、どれくらい、体調がどのように変化したかをメモする習慣をつけましょう。これには行政機関が作った「健康食品手帳」を利用するのもおすすめです。

サプリメントを安全に正しく活用し、より良い健康管理に役立てましょう。